糖尿病との関係

年々、糖尿病患者は増えています。日本では国民病とまで言われているほど。定期的に検査を受けていれば早期発見にもつながるので、面倒でも血糖値のチェックをすることは大切です。

2010年から糖尿病の診断基準が少し変わり、hba1c(ヘモグロビンa1c)の値も重要視されるようになりました。検診で行う血液検査の結果に「HbA1c」という項目があると思います。


糖尿病と診断される基準

血糖値が

☆空腹時血糖値が126mg/dl以上
☆随時血糖値が200mg/dl以上
☆ブドウ糖負荷試験時の2時間値が200mg/dl以上

のいずれかに当てはまること、そしてしかも

☆ヘモグロビンA1cが6.9%以上

だと糖尿病だと言われてしまいます。

空腹時血糖値とは10時間以上食事をしないで測定する検査のこと。前日の夜に夕食を食べた後は水以外何も食べず、翌日の朝食前に血糖値を測ります。食事とは全く関係のない数値をしることができます。

随時血糖値は食事に関係なく血糖値を調べる検査です。空腹時血糖値検査を受けようと思ったけど、うっかりその前に飲食をしてしまった人などがこの検査で調べることがあります。健康な人であればいつ測っても血糖値が140mg/dlを超えることはまずありません。

空腹時・随時血糖値検査でひっかかってしまった人は、さらに詳しい検査をするためにブドウ糖負荷試験を行います。検査前は10時間絶食し、検査当日はタバコもNGです。そして空腹のままブドウ糖75gを250mlの水に溶かしたものを飲み、30分ごと2時間後まで血糖値を測ります。(病院によって採血の回数は異なるようです。)糖尿病や糖尿病予備群の人は、食後もなかなか血糖値が下がらないので、この試験ではその様子を見つけることができます。

それからヘモグロビンA1cの検査では過去1~2ヶ月の血糖値の平均値がわかります。

これらの検査を同時に行うことで1回の検査で糖尿病かどうかがわかります。ただし血糖値とヘモグロビンA1cどちらかが高い場合は1ヶ月以内に再検査をする必要があります。

ヘモグロビンA1cとは

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ヘモグロビンとは血液の赤血球に含まれているタンパク質のひとつ。タンパク質は糖とくっつきやすいと言う性質があります。ヘモグロビンがブドウ糖と結合したものをグリコヘモグロビンといい、何種類かあります。その中でも糖尿病と関係があるのがヘモグロビンA1c(ヘモグロビン・エイワンシ-)です。

赤血球の寿命は約120日。その間体中を巡っています。そして血液中によぶんな糖があればつぎつぎにくっついていきます。血液中に糖が多ければ多いほど、ヘモグロビンA1cの数も増えていきます

ヘモグロビンと糖が結合した直後はまだ不安定で、糖が外れることもあるそう。でも時間が立つと、別の反応も起こり結合が安定。がっちり結びつきます。こうなると赤血球の寿命がつきるまで糖はずっとはなれません。

どれだけヘモグロビンA1cの数があるかは、ある期間の平均血糖値を反映しています。赤血球の寿命は約4ヶ月なので、ヘモグロビンA1cの値を見れば過去4ヶ月の血糖値の平均がわかります。でもある時点でのヘモグロビンA1cの50%は過去1ヶ月の間にできたもの、そして25%は過去2ヶ月の間にできたものと言われています。なのでヘモグロビンA1c値ではおおよそ過去1~2ヶ月の血糖コントロールの状態を推測することができます

ヘモグロビンA1c値は全部のヘモグロビン量に対するヘモグロビンA1cの割合を%で表したものです。6.2%未満が正常域です。6.9%以上あると糖尿病が疑われます

ヘモグロビンA1cの割合が多いとどうなるのか

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ヘモグロビンA1cの値を見れば血糖値の平均がわかり、糖尿病かどうか、あるいは血糖コントロールがきちんとできているかを知る指標にもなりますが、ヘモグロビンA1cが多いということは私たちの体にとっては悪影響を及ぼしているんです。

ヘモグロビンA1cは酸素との結合もとっても強いという特徴があります。もともとヘモグロビンは酸素を体中に運ぶという役割があります。そして酸素が必要なところでは酸素を放出しなければならないのですが、ヘモグロビンA1cは酸素を手放さなくなってしまうんです。ということは体のすみずみまで十分な酸素が届けられないということ。

なので、ヘモグロビンA1c値があまりに高いと酸素を必要とする運動能力が落ちてしまうんです。血糖値を下げるには運動をしなさいと言われますが、重度の糖尿病患者さんの場合は、運動が体にとって負担になってしまうんです。

またキズができたときにそれをすばやく治すためには毛細血管から酸素を十分に受け取ることが重要になります。でもヘモグロビンA1cが多いと酸素を手放さないので、キズの治りも遅くなってしまいます。

そしてヘモグロビンA1cは毛細血管に詰まりやすくなり、血液の流れも悪くします。またネバネバもしているので赤血球同士がくっつきやすくなります。かたまりができてしまうとやはり血管内に詰まりやすくなります。

このヘモグロビンA1cの影響は毛細血管だけにとどまらず、大血管にも及びます。大血管では動脈硬化を促進させることがわかってきました。

ヘモグロビンA1cと合併症の関係

ヘモグロビンA1cが低下すると合併症のリスクもグンと下がることがわかっています。ヘモグロビンA1cが1%低下すると、糖尿病に関連した死亡率は25%、心筋梗塞は18%、脳卒中は15%、細小血管合併症は35%それぞれ軽減するという発表がありました。(UKPDS 1998年 Holmanら第34回欧州糖尿病学会発表より)

日本糖尿病学会は血糖正常化を目指す際の目標としてヘモグロビンA1cを6.0未満、合併症予防のための目標を7.0未満、治療強化が困難な際の目標を8.0未満と発表しました。「熊本宣言2013」というそうです。

糖尿病をすでに発症してしまっている人は、まずヘモグロビンA1c7.0未満を目指します。その際血糖値は110~130mg/dl未満、ブドウ糖負荷試験2時間値を140~180mg/dlが目安になります。

この値が達成できたら次はヘモグロビンA1c6.0%未満を目指します。

糖尿病は遺伝的なものもありますが、それに悪い生活習慣などが加わると発症します。食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレス、加齢などが原因になってくるのでできるところから改善していきましょう。

【関連ページ】
ヘモグロビンと血糖値の関係


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