血糖値を下げるホルモンについて

血糖値はいくつかのホルモンによって調整されています。ただ血糖値を下げるホルモンと言うのはひとつしかありません。それがインスリンです。


インスリンの役割

①血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪組織へ取り込ませる
インスリンは細胞膜上にあるインスリン受容体と結びついて、ブドウ糖を取り込むように細胞に情報を送ります。インスリン受容体は筋肉や脂肪だけでなく、脳や線維芽細胞、赤血球など体のほとんどの組織に存在しています。ただインスリンが主に作用するのは筋肉、脂肪組織、肝臓です。

細胞に取り込まれたブドウ糖はエネルギー源として使われます。

②ブドウ糖が肝臓や筋肉でグリコーゲンに合成されるのを促す
ブドウ糖は大切なエネルギー源なので、万が一ブドウ糖が足りなくなってしまった時に備えて、蓄えておく必要があります。肝臓や筋肉に蓄えておくのですが、そのために一時的にブドウ糖をグリコーゲンに変換させます。そのサポートをするのもインスリンです。

③ブドウ糖が脂肪に合成されるのを促す
余ったブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられ、さらに余った分は中性脂肪となって脂肪細胞にたくわえられます。

④肝臓のグリコーゲンがブドウ糖に分解されるのを抑える
エネルギー不足や空腹になったときのために肝臓にはグリコーゲンがたくわえられています。ただ必要のないときにブドウ糖に分解されてしまっては血糖値が上がってしまうので、それを調整してくれる働きがあります。

インスリンはどこから分泌される?

インスリン 膵臓
インスリンはすい臓で作られ分泌されています。すい臓とは胃の後ろにある横に長い臓器で、大きさは約15センチくらいです。

すい臓にランゲルハンス島という細胞群があり、インスリンはその中のβ細胞で作られ血液中に分泌されています。つねに少しずつ分泌されていて、ブドウ糖を全身の組織に取り込ませ、エネルギーを作り出すサポートをしています。

食事などによって血液中のブドウ糖の量は変わります。β細胞は血液中のブドウ糖の濃度を敏感にキャッチして、それに見合う量のインスリンを分泌します。健康であれば、それによって食後に上がった血糖値も100mg/dl前後に戻されます。

ランゲルハンス島とは・・・

ランゲルハンス島はすい臓全体に散らばっている特別な細胞のあつまりです。島状に散らばっているため、発見した病理学者の名前をとってこうよばれているのだそう。ランゲルハンス島にはインスリンを分泌するβ細胞と、血糖値をあげるホルモンであるグルカゴンを分泌するα細胞などがあります。

インスリンがうまく働かなくなる時がある

食べ過ぎ
インスリンを分泌するβ細胞の消耗や破壊などによってインスリンが十分に分泌されなくなると、血糖値を下げることができなくなります。

またインスリンが十分に分泌されていても、インスリンを細胞内に取り込むインスリン受容体の働きがにぶくなっていると、やはり血糖値を下げることができません。インスリン受容体の働きが鈍くなる原因には食べ過ぎや運動不足などがあります。

血糖値を下げることができるホルモンはインスリンだけなので、インスリンの量と質が十分でないとあっという間に高血糖になってしまいます。

インスリンの発見

インスリンは、カナダのバンティング博士とベスト博士、そしてイギリスのマクラウド博士たちによって1921年に発見されました。犬を使った共同実験によるものだったそうです。そして1923年にはインスリン製剤が発売されましたが、大量に作ることはまだできませんでした。1982年になるとヒトインスリンの大量生産が可能になったため、糖尿病の治療が進歩しました。

インスリンの分泌能力の違い

体重増加 インスリン
東アジアの民族は欧米人に比べてインスリンの分泌能力が低いという研究結果があります。それも2分の1程度という低さです。

欧米にはびっくりするくらい太った人がたくさんいますが、みながみな糖尿病になるわけではないのは、インスリンが十分に分泌されているからなんですね。

日本人を含む東アジア人は遺伝的にも糖尿病になりやすいといえます。しかも最近の欧米化された食生活のせいでますますかかりやすくなっているのですね。少しの体重の増加でも発症してしまうので要注意です。

ただ欧米人は遺伝やウイルス感染が原因でなってしまう1型糖尿病を発症する人が多いです。その結果、日本とアメリカどちらも糖尿病にかかる割合は人口の8%といわれています。

血糖値を上げるホルモンについて

食べ過ぎ インスリン
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけですが、血糖値を上げるホルモンというのはグルカゴン、グルココルチコイド(副腎皮質ホルモンの一種)、カテコールアミン、成長ホルモン、甲状腺ホルモンなどがあります。これらのホルモンが血糖値が下がってしまった時に順次作用して、血糖値を上げてくれます。

血糖値をあげるためのホルモンがいくつかあるのは、動物にとって低血糖の状態は危険だからです。低血糖になってしまうと昏睡状態や死んでしまうことも。そうならないように二重にも三重にも対策が取られているんです。

野生動物の場合、餓えとの戦いになります。長時間食べ物を取ることができなくても、なんとか生き延びることができるように体ができているのですね。

ただ、現代人の場合は飽食のほうが問題になっていますね。もともと体は餓えに対して強くできているのに、現代人は必要以上に食べてしまっているので、結果、糖尿病へとつながってしまうんです。

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