正常な血糖値について

血糖値って何?

パンやごはん、ケーキ、チョコレートなどに含まれる糖質は、体の中でだ液や膵液、腸液によってブドウ糖などに分解され、小腸から吸収されます。吸収されたブドウ糖は私たちの体の重要なエネルギー源。脳はブドウ糖だけをエネルギー源として働いているので、いかにブドウ糖が重要かがわかりますよね。もちろん他の臓器も主にブドウ糖をエネルギー源として使っています。

吸収されたブドウ糖は、半分が肝臓に送られてグリコーゲンという物質に変えられ、たくわえられます。残りの半分は血液中を流れて、筋肉などに取り込まれながら利用されていきます。

この血液中を流れているブドウ糖の濃度のことを血糖値といいます。ブドウ糖は大事なエネルギー源なので、つねに血液中にある程度なければ私たちは生きていけません。


血糖値はつねに一定に保たれている

私たちの体の中でブドウ糖をエネルギーとして利用したり、あまった分をたくわえたり、反対に足りない時は補給したりしています。つねに血液中のブドウ糖はある程度の濃度に保たれているんですね。

肝臓や筋肉、脂肪細胞、神経ネットワーク、各種ホルモンなどによって血糖値はほぼ一定の範囲に落ち着くようになっています

私たちの体にはホメオスタシスという機能がそなわっています。これは体の状態を一定に保つというシステム。主に自律神経やホルモン分泌などによって行われています。

環境の変化やストレスなどに体が対応して、体をいつでも同じような状態に安定させてくれます。例えば寒い時に身震いをして体を温めたり、熱い時には汗をかいて体温を下げたりしますよね。それと同じで血糖値も一定に保たれるようになっているんです。

正常な血糖値はだいたい70~120mg/dlの範囲にコントロールされています

1リットルだとわかりにくいので1デシリットル(dl)という単位が使われていますが、1デシリットルとは1リットルの10分の1、つまり100mlのことです。100mlの中におよそ70~120mgのブドウ糖が含まれているということですね。

余談ですが、普段デシリットルなんて単位使いませんよね。私もすっかり忘れていました。でも小学校2年生の算数でしっかり勉強します。以前、私の子供に宿題で質問された時に「デシリットル?なんだっけ?こんな単位使わないよ~」と思っていましたが、血糖値の単位などで使うんですね。

血糖値を調節するホルモン

血糖値を調節するのに大きく関わるのがホルモンです。血糖値を上げるホルモンと下げるホルモンがありますが、その両方がきちんと機能していないと糖尿病などの病気を引き起こしてしまいます。

過度なダイエットや何らかの事情で飢餓状態になったり、激しい運動をしたりするとエネルギー源となるブドウ糖が不足します。すると体は「ブドウ糖を補充して~」と命令をだし、血糖値を上げるホルモンを分泌させます。この血糖値を上げるホルモンはアドレナリンやグルカゴンなどです。

そして食後など、血糖値が高くなっているときには肝臓や筋肉、脂肪細胞にブドウ糖をたくわえるのですが、その時に作用するホルモンがインスリンです。

血糖値を上げるホルモンはいくつかあるのに、下げるホルモンはインスリンひとつしかないので、どうしてもインスリンの機能のほうに不具合が生じやすいんですね。

血糖値は高すぎても低すぎてもダメ

血糖値が高い状態が続くと血管にダメージを与え、動脈硬化をすすめ脳卒中や心筋梗塞などの引き金になります。またさまざまな合併症をも引き起こします。糖尿病の代表的な合併症は「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」です。

もちろんここまで病気が進んでしまわなくても、血糖値が高い状態は体に大きな負担をかけます。

また反対に血糖値が低い状態がつづくと、エネルギーが十分に作れないのでやはり体にはいろいろな不調があらわれます。とくに脳へのエネルギー源はブドウ糖だけなので血糖値が急激に下がってしまうということは死につながってしまいます。

ストレスによっても血糖値は上がってしまう

stress
大昔、人間は狩猟生活をしていました。獲物をとらえたり、危険な動物に襲われたりというときにストレスを感じていたでしょう。そんなときには戦闘モードになって、筋肉をパッと動かせるように体は準備しなければなりませんね。エネルギー源になるブドウ糖がたくさん必要になります。なので血糖値をグンとあげる必要があったと思われます。

この時代のなごりがきっとまだあるのでしょう、ストレスを感じると血糖値も上がるということがわかっています。

血糖値を下げるインスリンの分泌は副交感神経によって支配されています。そして血糖値を上げるアドレナリンやグルカゴンは交感神経に支配されています。ということは、ストレスがたまるような交感神経過剰な生活を続けていると、血糖値も上がってしまうということ。

昔は狩猟などでそれをエネルギーとして使っていましたが、今はそうではないですよね。ただただムダに血糖値が上がってしまっているんです。本来(大昔)なら正常なはずの血糖値の上昇も今は健康を害するものになっています。

ドイツのミュンヘンヘルムホルツセンターの調査によると、強いストレスを感じている人は糖尿病を発症する確率が45%も高いのだそう。ストレスは神経疾患の原因になるだけでなく、糖尿病などのような慢性疾患にも大きな影響をおよぼすんですね。

正常な血糖値をいつまでも保つためには、生活習慣の改善が何よりも重要。とくに食事と運動、そしてストレスケアです。
【参考】血糖値コントロールの方法



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